「英語で相手の言っていることはわかるけど、上手く返答ができない」
「リスニングテストの点数にスピーキングレベルが全然追いついていない」
「言いたいことは頭に浮かんでいるのに、表現するのに時間がかかってしまう」
「英語を聞き取れるけど、話せない」という悩みは、文法や単語をきちんと勉強してきている人が抱えやすい悩みです。
しっかり勉強してきた皆さんだからこそ、スピーキングの勉強に関してはどうしたらいいかわからないと頭を悩ませているのではないでしょうか。
私の意見では、スピーキングは地道にしっかりとステップを踏んでトレーニングをしていけば誰でも上達させられる能力であると思っています。
今回の記事では、「英語を聞きとれるけど話せない」状態の人がスピーキング力を上達させる具体的な方法を紹介していきます。
1. 英語を聞き取れるのに話せないたった一つの原因
英語を聞き取れるのに話せないたった一つの原因は、ずばり「スピーキングに特化した練習」の不足です。
はっきり言うと、スピーキングはただ英語を聞いているだけだったり、何となくオンライン英会話を受けているだけでは伸ばすことはできない能力です。
皆さんは単語や文法を覚えるのに学校や自学で机に座り時間をかけて勉強してきたと思います。実はスピーキングにもそういった勉強が必要になります。
私の考えでは、スピーキングは「会話をする中で自然と上達させるもの」ではなく、「戦略的に勉強していくもの」です。特に全く話せない状態から、言いたいことをある程度言えるレベルになるためにこの考えは重要になります。
何も考えずにオンライン英会話で実践を重ねるより、よく使う構文や言い回しから効率良く「使えるようになる」練習を自分ですることで、圧倒的に習得までの時間を短縮することが出来ます。
英語を話せるようになるためには、話す力に特化した勉強法に取り組むべきです。
2. 「スピーキング練習」の捉え方
「スピーキング」の勉強方法は他の3技能に比べてどこか掴みどころがなく、やり方が分からないと思っている方は多いと思います。実際に世間でも、「スピーキングにはこれ!」といったはっきりした勉強方法は確立されていません。
それによって、スピーキングの勉強はないがしろにされがちだと感じます。
スピーキングの勉強方法の話に入る前に、まず、スピーキングにどのようなメンタリティで向き合うべきか、私の考えを少しお話したいと思います。
今スピーキングの勉強をしている人、これから勉強をする人は、以下を意識してみてほしいです。
①スピーキングは半分座学である
②スピーキングの進め方は文法の勉強と一緒
1. スピーキングは半分座学である
スピーキング練習というと、対人での練習がメインとなると思っている方が多いと思いますが、半分は座学だと思ってください。
受験勉強をしたことがある方やTOEICを受けたことがある方は、座学で文法やリーディングの勉強をしたと思いますが、スピーキングの勉強も実はそれと同じです。スピーキングにおいても知っている英語を使えるようになるためにインプットをする時間をとる必要があります。
ある程度まとまった時間を確保して、集中して取り組む必要があるのです。
2. スピーキングの勉強は文法の勉強と似ている
スピーキングの勉強の進め方は実は文法の勉強とそこまで変わりません。
文法の勉強方法は、20~30程度ある文法項目と、その中にある例外的な構文を「理解して覚えていく」やり方だと思います。
スピーキングの勉強方法は、それらの文法項目と、その中にある様々な構文を「使えるようにしていく」というやり方なのです。
要は、「話すために必要な文法・構文・フレーズ」等の全体像を把握して、あとはそれが口から出てくるように練習するだけなのです。
文法は、決まった項目を覚えていきますよね。スピーキングもそれと同じです。
英会話でたまたま出てきた会話表現を1つずつ覚えるのは、設計図を持たずに家の木材を組み立て始めるようなものです。これでは家は完成しませんし、できたとしても穴だらけです。
初めに日常会話で使う英語の構文やフレーズを網羅的に把握して覚えるべきことの全体像を理解しておくことで、効率よく英語が話せるようになるのです。
3. 英語を聞き取れるのに話せない人が話せるようになる2つの勉強法
1. 瞬間英作文
英語を聞き取れるけど話せない状態から脱するために一番最適な勉強方法は、瞬間英作文です。
瞬間英作文は、短い日本語の文章を瞬間的に英文に直していく練習方法です。
瞬間英作文の例
私は先月から両親に会っていません。
→ I haven’t seen my parents since last month.
かなり短くて簡単に思える日本語ですが、意外と訳してみると言い方がわからなかったりつっかえることが多いのです。
初心者の人は、「彼」「彼女」「あれら」などの文の一番初めの主語となる表現がそもそも言えなかったり、過去形にし忘れていたり、とやってみるとスムーズに言えないことに気が付くと思います。
こういった簡単に思える基礎的な英語が無意識で出てくるレベルで言えるようになることが今後さらに英会話力を上げていくうえで死ぬほど重要なのです。
そして、最も基礎となる英語構文を網羅的に練習できる天才的な書籍が、あの有名などんどん話すための瞬間英作文トレーニング です。
私は正直、この一冊を完璧にすれば、言いたいことの7割は言えるようになると思っています。
この書籍では、画像のように左側に日本語が書いてあるので、それを瞬間的に英語に直していきます。
「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング 」では、同類の文法や文型ごとでぺージが分けられているため、「使えるようになるべき英語」の全体像がつかみやすいうえに、自分の苦手分野を把握して集中して取り組むことも可能です。
英文がシャッフルされたシリーズもありますが、まずは文法項目ごとに完璧を目指すことをおすすめします。
2. 録画スピーキング法
瞬間英作文で基本的な英文が組み立てられるようになってきた段階で行ってほしい勉強法が、録画スピーキング法です。
詳しいやり方は以下で説明しますが、特定のトピックに対して英語を5分話して録画し、言えなかった表現を認識して覚えていく方法となります。
英語を聞き取れるけど話せない人は、基本的な文法や単語知識はある状態だと思います。この練習法は、それらの知識を「自分の語彙」として使えるようにしてくれるものです。
録画スピーキング法の強みとは
このトレーニングの強みは、自分の興味、仕事、趣味、家族などの自らの人生や生活に関係する語彙やフレーズを学ぶことができるところです。
英語を「流暢」に話すために、何千個も難しい単語や熟語を覚える必要はありません。
どれだけ自分の身近なことについて話せるか、またそこで覚えた表現をどれだけ他の文脈の話をする際に応用できるかが「流暢さ」のキーとなります。
この方法では自分の生活や人生に関わる語彙や表現を勉強できるため、会話の上達が圧倒的に早くなります。
私が独自に行っていた勉強方法ですが、これをやったことによって、ナチュラルで自分らしい英語表現を沢山身に着けることができました。
ステップ1:5分間好きなトピックについて話し、録画する
まず、動画を回して5分間、自分の好きなトピックについて話します。自分に関わるものから始めることをおすすめします。
5分で話すトピック例
・出身地の話
・親友に出会ったときの話
・今の仕事をするに至った経緯
・英語を勉強している理由
この際、分からない単語や組み立てられなかった英文は、日本語で言って話し続けてOKです。
また、言いたいことがスムーズに出てこない人は、事前に日本語で話すことのメモを作成して取り組んでみてください。
ステップ2:録画を見て、言えなかった単語と文章をノートに取る
次に、録画を見て、言えなかった部分を記録していきます。
言い方が分からなかった文に関しては、翻訳の精度が高い無料アプリ DeepL で翻訳にかけ、Googleスプレッドシート等にメモをしましょう。
単語に関しては、調べて単語帳アプリに登録していきましょう!自動音声読み上げ機能やフォルダ分け機能、シャッフル機能が付いている WordHolic! を使うことをおすすめします。
ステップ3:再度同じトピックについて5分間話す
再度5分間、同じトピックについて話をして動画を回していきます。
この際、1回目の時と全く同じ表現を使う必要はないです。
1回目に行った時よりも簡単に感じると思いますが、まだ引っかかるところは出てくると思うので、再度言えなかった表現や単語についてはメモしていきます。
ステップ4:1つのトピックをスムーズに話せるようになるまで1~3を繰り返す
1つのトピックについて、スムーズにつかえることなく話せるようになるまで、1~3の手順を繰り返してください。
初めは、スムーズに話せるようになるまで5回やそれ以上かかることもあると思いますが、そのくらい時間をかけて繰り返して大丈夫です。やり続けるにつれて、1つのトピックに対して少ない回数でスムーズに話せるようになってきます。
このトレーニングは1カ月続けるだけでも日常会話が上手くなっていることを実感できる即効性のあるものでもあるので、是非取り組んでみてください。
さらに表現力を上げたい上級者向けの方法2選
自分の周りのことについては一通り言えるようになったという方は、以下の上級者向けのやり方を試してみてください。
上級者向けの練習方法
・ニュース記事等を読んで、2文ごとに記事内容を要約する
・好きな動画を見てメモをとり、メモを見ながら動画の内容を要約する
以上のやり方をすることで、英語で使える語彙や表現をさらに増やすことが出来ます。
いずれにしても、録画し、言えなかった表現の振り返りをするようにしましょう!
まとめ
英語が聞き取れるけど話せない原因は非常にシンプルで、話すことに特化した練習不足です。
スピーキングの勉強に対しても、文法の勉強やリーディングの勉強のようにしっかり向き合って集中して取り組んでいく必要があります。
現在英語が全く話せないと思っている方でも、今回紹介した瞬間英作文と録画スピーキング法に取り組めば、確実に言いたいことをスムーズに伝えられるレベルになっていきます。
英語が聞き取れるレベル前で勉強してきているあなたであれば、話せるようになるまではあと一歩です。
今回紹介した勉強法をぜひ試してみて、スピーキングの練習を継続してみてください!
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